アクタスマネジメントサービス株式会社 加藤 幸人様インタビュー | 経営課題を専門家に相談 イチゾウ

アクタスマネジメントサービス株式会社 加藤 幸人様インタビュー

アクタスマネジメントサービス株式会社 加藤 幸人様インタビュー

アクタスマネジメントサービス株式会社 代表取締役 加藤 幸人

■質問内容■M&Aの方法や注意点についてご教示ください。
先般、商品の仕入れ先であるアパレル製造業を営む社長から「後継者がおらず、うちの事業を引き継ぐことを検討してもらえないか」と打診がありました。今後、当社は成長を加速させるため、卸の専業から脱却し、自社で商品企画・製造・販売まで手がける製造小売業(SPA)を目指したいと考えています。そのため、製造部門はノドから手が出るほど欲しいところです。今回の話を前向きに検討したいのですが、事業を引き継ぐ方法や注意点についてご教示ください。

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※下記は経営者通信3号(2009年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

■M&A■ M&Aとは「時間を買う」こと。そして、シナジーによって成長が加速する

辻松:事業を引継ぐ代表的な手法に株式譲渡と事業譲渡があります。 株式譲渡とは、「会社の経営権としての株式を売却して、いわば会社それ自体を包括的に譲渡すること」を意味します。引継ぐ側は、不要な事業や簿外負債等のリスクも基本的に引継ぎます。また、オーナーによる会社の負債の個人保証について保証の切換えを行うのが通常です。 他方、事業譲渡とは、「事業を一体として構成する財産や契約関係の全部又は一部を他の会社に譲渡すること」をいいます。譲渡契約上で対象を限定すれば、簿外負債等のリスクを減らし、また必要な事業のみを引継ぐことができます。しかし一方で、個々の財産や契約関係の個別的な移転のためのプロセスが必要となります。その他、他の手法の是非や税務・会計上の観点も含め、専門家に相談して事業価値を毀損させない手法を検討すべきでしょう。 次に、引継ぐときの対価(株価、事業価値)の問題があります。企業評価には、キャッシュフローや類似会社、純資産等を参考に算定する方法があります。どの方法を採用するかは自由です。極論すれば相対取引ですので双方が納得すればそれで確定します。しかし金銭のやり取りは、そう簡単にはいかないものです。税金の問題も発生します。そこで基準となるもの(=企業評価書)が必要になります。アパレル業の企業評価では特に在庫の評価がポイントになります。シーズンものや購買層によって、その価値は大きく変動します。シーズンものの売れ残りは、オフになると半分以下になります。在庫の評価方法については事前に協議しておく必要があるでしょう。  またアパレル産業は流通構造が複雑です。そのため業務・生産フローを把握する必要があります。メーカーといっても生産工場が中国にあるケース、外部工場へ委託しているケース、単なる下請け、製品企画(人材)に強みがあるなど、その形態・特徴は様々です。対象企業の概要をきちんと把握することです。ひいてはそれがシナジーの検証につながります。 引継いでから「知らなかった。こんなはずではなかった」とならないよう、シナジーがないと判断した場合は、無理をせずに、断る勇気も必要でしょう。

■税務■ デューデリジェンスを行い慎重に検討を!

加藤:会社を買収するにあたり、会計的な立場で考慮すべきことは、買収する会社の財務内容を精査し、買収価値を適正に評価することです。買収する会社を監査する手続きをデューデリジェンス(以下、DD)といいます。過去の財務内容を精査する「財務DD」とともに、将来のビジネスを分析する「事業DD」も重要な手続きです。まず財務DDでは、売り手企業の財務内容の精査を行い、架空資産や簿外債務の確認や潜在的なリスクの洗い出しを行います。次に事業DDでは、ビジネスの将来性やシナジー効果などを分析します。DDの具体的な調査項目としては、次のような内容が挙げられます。 【財務DD】 ・会計処理が正しく行われているか? ・貸借対照表における資産は実在するのか? ・簿外債務はないか? ・将来の収益見通しは合理的か? ・財務の安全性、効率性に問題はないか? 【事業DD】 ・業務オペレーションはきちんと行われているか? ・営業・集客活動はどのように行われているか? ・組織内における権限と責任はどこにあるのか? ・施設・設備の状況、稼働状況はどうか? ・市場競争力はどう変化していくか? きめ細かなDDを行うことにより、引継ぐ事業の問題点やリスクが認識できるとともに、引継ぎ後のマネジメントのあり方についても青写真が描けるようになります。そして、DDの結果、想定外のリスクが発見された場合、引継ぐときの対価を引き下げるなどの交渉をすることになります。  リスクがあまりにも大きい場合には、断念せざるを得ないケースもあり、撤退する勇気を持つことも時として必要になります。なお、会社の買収という大きな事案については、従業員の間にあらぬ誤解や不安が生じ、反対する動きが出ないとも限りません。こうしたリスクを最小にするため、開示は極力あとにするのが基本となります。最終契約に至る前までは、ごく一部の者にしか知らされないため、DDの業務自体も極秘のうちに進められます。本社から離れた別棟など売り手企業の従業員の目につかない場所で行う配慮が必要となるのです。

■法務■ 法的リスクの軽減のために事前調査と適切な契約プロセスを!

小野:まず、事業を引継ぐ際の法的調査(法務デューデリジェンス調査)についてご説明します。どこまできちんと法律に即した会社の経営を行うか、またそれを超えてどこまで法的リスクに事前に対処しておくかは、経営者の個性や会社の歴史によって大きく異なり、外部から簡単にはわかりません。例えば、譲渡される株式が過去の経緯も踏まえて本当にその経営者の所有なのかをはじめ、残業代の不払等の労働関係のリスク、重要な契約で支配株主や経営者の交代が契約解除原因とされていないか、工場等の会社の重要な資産の権利関係、取引先・近隣等との紛争の有無やその原因、その会社がブランドを持っていれば商標権、特殊な技術を用いていれば特許権等の知的財産権の保有状況と第三者の権利の侵害可能性など、会社経営それ自体とその承継には様々な法的事項が伴います。また、オーナー経営者の交代を契機として、このような法的な問題が噴出してくることも少なくありません。会社の内部資料を見せてもらい、専門家のチェックを経ることが極めて望ましいといえます。次に、以上の観点を踏まえた契約プロセスについて述べます。第一段階として、秘密保持契約を締結して、会社の内部資料をきちんと見せてもらえる状況を整えましょう。これには2つの目的があります。ひとつは案件開始時の決算書等による会社の財務内容のおおまかな確認をするため。もうひとつは、さらにその後の事業・財務内容の詳細な調査や法的調査のためです。また、第二段階として、譲渡代金の目安、全体的なスケジュール、独占交渉権、各種調査への協力の約束等を定めた基本合意書を途中で締結することが望ましい場合もあります。  そして最後の段階として、最終的な譲渡契約です。ここでは、各種調査の結果を踏まえて、譲渡代金と譲渡手法を最終決定するとともに、リスクを未然に防止し、何かあった場合にもリスクを軽減するための様々な契約条項を設けていくことになります。ある会社の事業を承継することは、ビジネスを飛躍的に拡大するチャンスであるとともに、他人が作り出したリスクを背負うことでもあります。そのため、以上のように、そのリスクの内容を見抜き、それを軽減させるための措置を講じることが重要となってくるのです。

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アクタスマネジメントサービス株式会社

代表取締役 加藤 幸人
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