中田総合法律事務所 中田 光一知様インタビュー | 経営課題を専門家に相談 イチゾウ

中田総合法律事務所 中田光一知様インタビュー

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※下記は経営者通信4号(2009年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―“攻めの法務”と“守りの法務”の違いを、もう少し教えてください。
福間:“攻めの法務”の場合、定期的に経営者とお会いし、ヒアリングを行います。このヒアリングは単なる雑談でいいんです。雑談の中からこそ、その会社の経営をめぐる様々な問題が見えてきます。ここでは本音で語ることが大事です。そして、本音の会話の中で見えてきた問題について、弁護士が積極的にアドバイスを行うんです。 イメージとしては、「アドバイザリー・ボード」に近いかもしれません。「アドバイザリー・ボード」とは、外部の識者・専門家による第三者委員会のようなもの。独立した立場から、経営上の課題について客観的な助言を行います。 実際、米国では「アドバイザリー・ボード」の中に弁護士が入ることが多い。その理由は弁護士の課題解決能力が評価されているからです。弁護士は解決すべき課題が自分の専門分野でなくても、リーガル・マインド(法的思考方法)やディベート技術を用いて、課題の解決法を発見するための議論をリードできます。そして、課題解決まで導くことができるのです。中田先生が大学院でディベートの講義を持たれているのも、このようなことからですよね。
中田:ええ。オーケストラで言えば、弁護士は「指揮者」なんですね。オーケストラが素晴らしい音楽を奏でることができるのは、各パートの演奏者の能力の合計よりも、指揮者の果たす役割が断然大きい。 もちろん、現代社会は高度に専門分化した時代ですから、弁護士にもスペシャリストとしての能力が必要とされます。当事務所も、事業再生・M&A、著作権・デザイン・ノウハウ・特許権などの知的財産権、コーポレートガバナンスやコンプライアンス、不動産開発・取引法、金融商品取引法、エンターテイメント法分野、医療法人経営などの各分野においてスペシャリストたる自負を持っています。
福間:“守りの法務”の場合、リスクが予見される部分だけに集中的に関与します。各種契約書の作成、社内規程の整備、法務デューデリジェンスなど。経営全体から見れば、あくまで部分的関与に留まります。つまり、弁護士がカバーする範囲が“攻め”と“守り”では決定的に違うわけです。

―“攻めの法務”は経営全体に関与し、“守りの法務”は部分的な関与に留まるわけですね。
中田:そうですね。従来の弁護士事務所は長らく「部分最適」を行ってきました。リスク回避型の企業法務の場合、予見されるリスクを回避すること。それだけがミッションだったからです。「全体最適」を考えるのは、あくまでクライアントである経営者の役割。経営者も弁護士も、その関係でいいと考えていたんです。お互いに役割分担をしていると。 たとえば「M&Aを行うので、法務デューデリジェンスをお願いします」とクライアントに依頼される場合。その際、弁護士は買収対象企業の法的リスクを調査します。当然、弁護士はM&Aの“経営的な妥当性”までは判断しません。 しかし、本当にそれでいいのでしょうか?M&Aの目的が「企業価値の向上」だとすれば、そのM&A以外にも適した手段があるかもしれません。真の全体最適を行うためには、法的観点に基づいた経営判断、経営戦略の立案・実行が必要です。もし顧問弁護士がクライアントの経営状況の全体を正しく把握していれば、より精度の高い経営判断、経営戦略の立案・実行をサポートできるでしょう。
福間:そこで当事務所では、クライアントと日常的にコミュニケーションをとるようにしています。クライアントの経営状況の全体を正しく把握し、適時に適切なアドバイスを行うためです。 従来の感覚であれば、特別な相談もないのに、弁護士とは話しにくいかもしれません。「弁護士の先生と話したら、お金がかかるんじゃないか」と不安になるでしょう。実際、顧問契約を結んでいても、時間単位で相談料を上乗せする弁護士事務所もあります。でも、当事務所は違います。顧問契約の場合、何時間話しても料金は一定です。だからクライアントは安心して、様々な話をして頂けるんです。つまり、当事務所は弁護士の“先生”ではなく、クライアントの“パートナー”として仕事をしているわけです。

―弁護士は“先生”として敬われているため、“パートナー”という意識が低い弁護士事務所もあると思います。なぜ貴事務所は、「クライアントのパートナー」という姿勢を大事にしているんですか?
中田:私が新米弁護士だった頃の経験が大きいと思います。今から20数年前。私が弁護士登録1年目の頃、ある中小企業のクライアントを担当しました。そのクライアントは致命的な法的トラブルに見舞われていた上、資金繰りにも慢性的に苦しんでいました。まさしく倒産の危機に瀕していたんです。 そこで、私が考え得るあらゆる法的手段を駆使して、できる限りのサポートを行いました。法的トラブルの解決のみならず、未熟ながら経営課題に対するアドバイスまで行い、経営者と二人三脚で倒産の危機を乗り越えたんです。そして翌年、クライアントは見事に成長軌道に復帰しました。クライアントの成功によって、私は弁護士としての自信を得ることができました。そして、弁護士の喜びと誇りを強く感じました。この時の経験から、「弁護士はクライアントのパートナーである」という当事務所の姿勢が確立したのだと思います。まさに「三つ子の魂百まで」ですね。

―最後に、今後のビジョンを聞かせてください。
福間:当事務所が目指すのは、短期的な利益追求ではありません。あくまでクライアント企業の中長期的な企業価値向上をサポートすることです。その結果として、クライアントのあらゆるステークホルダー(利害関係者)、ひいては地域社会や国、世界全体が豊かになり、そこに暮らす全ての人々が幸せになればいいと考えています。 いまや企業は社会の一市民として、人々の生活を支える公器です。現代社会における企業価値とは、環境保護や福祉といった必ずしも財務諸表に表現されない価値も含まれます。
中田:当事務所の姿勢は「プライベートライフからビッグビジネスまで、あなたのベストパートナー」という言葉に集約されます。“言霊”ともいいますが、言葉には魂が宿ります。われわれは、今後も経営者のベストパートナーとして、企業経営を全力でサポートしていきたいと思います。

※法化社会:法に基づいた支配や問題解決などが徹底される社会のこと。

東京

中田総合法律事務所

弁護士/SBI大学院大学教授 中田光一知
攻めの法務を活用し中長期的な企業成長をサポート
企業経営の複雑化が進む中、法務の重要性は年々高まっている。グローバリゼーションが急速に進行し、日本の経済社会は「法化社会」に突入。企業には法的リスクの回避のみならず、積極的に法を活用する企業戦略の策定が求められている。そこで今回は、精力的に企業経営のサポート活動を展開する弁護士2名の対談を設定。中小・ベンチャー企業が取り組むべき21世紀の法務について、中田氏と福間氏に話を聞いてみた。

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