マネックスグループ株式会社 松本 大様インタビュー | 経営課題を専門家に相談できるサイト イチゾウ

わが経営論

マネックスグループ株式会社 松本 大様インタビュー

Vol.18

マネックスグループ株式会社 代表取締役会長兼社長CEO 松本 大

「日本には世界市場に挑むベンチャー企業が少ない」。そんな嘆きを吹き飛ばすかのように、マネックスグループは果敢なグローバル展開を進めている。2010年12月に香港のオンライン証券グループを買収・子会社化し、続く2011年6月には米ナスダック上場のオンライン証券グループを買収。日米中3ヵ国で事業を展開し、新しい金融サービスの創造を目指している。同グループを率いる松本大氏は、30歳でゴールドマン・サックスのゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任した経営と金融のプロフェッショナル。今回は松本氏に世界経済の展望から、日本の財政問題、同社成長の理由まで、おおいに語ってもらった。

※下記は経営者通信15号(2011年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―はじめに世界経済の展望を聞かせてください。まず短期的な予測をお願いします。

短期予測は不確定要素が多いので、非常に難しいですね。予測のヒントになるのは、アメリカと中国の政治状況です。2012年、アメリカの大統領選と中国の国家主席の交代が予定されています。一般的に大国のリーダーが代わるときは、経済的な刺激策を行う傾向が強い。過去50年を振り返ると、アメリカ大統領選の前年はアメリカの株価が上がっています。それは国民の支持を集めるため、意図的にバブルをつくってでも、景気を良くしようとするからです。そう考えると、まずまずの世界経済にはなるでしょう。

―中期的にはどう変化していくと予測していますか?

世界規模のインフレが起きると思います。すでに緩やかなインフレが各国で起きており、その背景には人口爆発とインターネットの普及があります。まず大前提として、世界の人口が増えていきます。さらにインターネットの普及によって、先進国の食生活やライフスタイルが世界中に広がる。他の国の人が何を食べていて、どんな暮らしをしているか全世界の人がリアルタイムでわかるわけです。その結果、世界規模で消費が喚起され、モノの値段が上がっていくでしょう。

―ドル・ユーロ・円など、世界通貨のパワーバランスはどのようになっていくのでしょうか。

現在、消費大国である中国に対して、各国がモノを売ろうとしています。その際、自国通貨が安い方が輸出に有利に働く。だから、先進諸国は金利を低く抑えて、自国通貨を安くしようとしているのです。一方、日本の金利はゼロなので、もう金利は下げられません。結果、他の先進国よりも実質金利が高くなっているのです。

―ゼロ金利にもかかわらず、日本の金利は高いのですか?

ドルやユーロは金利よりも物価上昇率の方が高いので、実質金利が低いんです。むしろ資産が目減りしていく可能性がある。一方、円の場合、ゼロ金利でも資産価値は増えます。なぜなら、デフレによって物価が下がっているからです。つまり、皮肉なことですが、日本は相対的に金利が高い国になっている。だから日本にお金が集まり、円高になっているわけです。ただし、ずっと円高が続くとは思えません。これから世界のインフレがさらに進むと、過度なインフレを抑えるために各国で金利が上がるでしょう。すると、日本の実質金利は相対的に低くなり、円安になる。この変化はいつ起きてもおかしくありません。

―では日本経済の展望を聞かせてください。

日本経済の最大の問題はデフレから脱却できないこと。これが日本経済の足を引っ張っています。しかし、近いうちに世界のインフレが日本のデフレを解消するでしょう。実際、世界のインフレの波を受けて、すでに日本でも一部のモノの価格が上昇しています。ですから、中期的な視点で考えれば、日本経済は上向いていくと思います。

―日本の国家財政は破綻寸前とも言われています。日本企業はどのようにリスクを管理すればいいのでしょうか。

会社も国も基本的な仕組みは同じです。銀行がお金を貸し続けていれば、借金があっても会社は潰れません。同じように、国の財政がどんなに悪化しても、お金が回っている間は倒れません。すなわち、日本国民が銀行に預貯金をし、生命保険に加入し、銀行や郵政公社や保険会社が国債を買い続けている限り、国は破綻しないのです。

―いつかお金が回らなくなる危険はないのですか?

お金が回らなくなる時は、銀行や保険会社が日本の国債を買わなくなる時。それは中国の国債が発行された時だと思っています。中国が国際的な金融市場で国債を大量に流通させれば、日本国債より人気が出るでしょう。すると、日本国債の価格が下落し、日本の財政問題が一気に顕在化します。ですから、日本の財政破綻リスクをヘッジする方法は、中国ビジネスに関わることです。日本が壊れる時は、中国が強くなる時ですから。

―中国国債が発行される可能性は高いのでしょうか。

現段階では何とも言えませんが、おおいに可能性はあります。現在の中国の成長を支えているのは中国の国民です。しかし、中国は一人っ子政策の影響で人口構造がいびつになっています。将来は、個人の貯蓄率は下がっていくでしょう。すると、中国政府は国内で充分な資金が調達できなくなり、国際社会でお金を借りるようになる。これはアメリカや日本がたどってきた道と同じです。

現在、中国は猛スピードで内陸部の開発を進めています。これは人民元を国際化する際、「元高」の悪影響を小さくするためです。このまま内陸部の発展が進めば、人民元を国際化し、中国国債を発行するでしょう。つまり、内陸部の開発状況を確認すれば、おおよその時期がつかめるのではないかと見ています。

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